32インチのお気持ち表明!!!!!

言いたいことを言いたいだけ叫びまくる。

高木琢也は必然を生めるか。

2020年9月26日、明治安田生命J2リーグ第22節京都サンガFC大宮アルディージャの試合が行われた。


結果は2-4で大宮の勝利。京都はホームで今シーズン初の黒星を喫し、アウェー大宮は7試合ぶりの白星を挙げることとなった。


まあ大宮ファンとしては久しぶりの勝利というだけで嬉しい話だが、今日の話題は試合ではなく、大宮の監督、高木琢也さんについて。




高木監督は今シーズンが大宮での2シーズン目。去年は3位フィニッシュで、プレーオフで敗れたためにJ1昇格はならなかったものの、続投が決定。高木サッカーがより深く浸透したチーム作りを期待していたところだった。


最序盤は悪くなかった。しばらくは2位以内をキープ出来ていた。ただ、その時から今シーズンを不安視する要素は表れていた。


点が取れない。毎試合毎試合ギリギリのところで1点取っての勝利。実況解説陣は毎回、「ギリギリの試合で勝ち点積めるのは地力のある証拠」みたいなこと言っていた。


ところが、その後は勝ち星が遠く、前半戦終了時点で得点数は17でリーグ最少と得点力不足が露呈。負けは9試合で順位は15位。およそJ1並みの資金力のチームとは思えない結果であった。




まずは今日の試合の内容から。


11連戦の影響もあってか、後半勝負なのが丸わかりの緩い前半であった。


中盤の底でゲームを支配する庄司に大したプレスもかけずに、慌てふためいている内に2失点。2失点目のクリャイッチの怒りにも納得できる。ああ今日も負け試合かなんて思ってしまった自分が確かにいた。


攻撃ではロングボールを長身のイバに入れても、京都は2人、3人と人数をかけて潰し、ポストプレーを阻止。ほとんどチャンスを作れなかった。実際に前半のシュート数は2本のみ。




後半、先発していたイバ、小野、マクシメンコに変えて菊地、奥抜、渡部を投入。これが試合を変える。


中央でどっしりと構えるイバに対して、変わって入った菊地は右に左に駆け回ってゲームメイクにも加わる選手。これが効いた。


これまでポストプレーが出来ず、シャドーやウイングバックの追い越しができなかった中、菊地が要所要所で動き回ることで京都DF陣を撹乱。前半で決まらなかったポストプレーが決まるようになった。


そして52分、黒川のスルーパスに抜け出した三門が、上がってきた渡部にパス。ダイレクトで上げたマイナスのクロスがイッペイシノヅカの頭にドンピシャ。イッペイの今シーズン初ゴールで後半開始早々に1点を返し、反撃の狼煙を上げる。


続く57分、相手選手の不用意なパスをカットした黒川がドリブルからシュート。黒川は2試合連続弾で今シーズン3点目。


その後も大宮の攻勢は続く。三門や、ボランチに下がった小島のプレスからのカウンターがハマりはじめた。


もちろんプレスを剥がされて京都のチャンスとなるシーンもあったが、DF陣が跳ね返した。


そうして76分、漢が決めた。河面のコーナーキックに合わせたのは畑尾大翔。見事なポジショニングでゴール右隅に流し込む気持ちのこもったヘディングであった。


逆転されたことでパワープレーに出る京都。センターバックのヨルディバイスを前線に上げ、キーパーの若原もビルドアップに加わる。その隙を突いた。


後半アディショナルタイム3分、奥抜のハーフラインからのロングシュート。必死にゴールまで戻る若原の死角を突いたシュートはゴールに吸い込まれ勝負あり。


こうして大宮は7試合ぶりの勝利を手にした。




この試合の鍵は、ハーフタイムでの修正にあるのではないか。


イバに変えてタイプの異なる菊地を投入。これによって安易なロングボールという選択肢が無くなり、ショートパスを繋ぐ方向へと転換した。


さらにはボールの供給源となる小島をボランチに下げ、シャドーをドリブラー2人にしたことも功を奏した。


前線3人がボールをもらいに下がってくることでそれぞれの距離が近づき、チャンスが作れるようになったのである。


そして渡部とイッペイのウイングバック2人も相手を苦しめた。前半に左を務めた河面はサイドを抉ってセンタリングというよりもアーリー気味の正確なクロスが得意。一方渡部はゴールラインギリギリまで走ってのクロスが得意。


どちらが良いとかの話ではなく、前半とはタイプの異なるクロスが入ってくるようになったということが相手を混乱させたように思える。


実際に1点目を返したシーンは、空中戦に強いバイスを三門が引き出し、渡部はほぼフリーでクロスを上げている。中に入っていた京都DF陣は全員ボールウォッチャーになっていた。正に高木采配ズバリ、といったアシストだろう。


奥抜に関しては、持ち味のドリブルを存分に発揮し、相手DFを混乱させていたが、これはいつものことなので省くとしよう。既にかなりの長文になってる気がする。今シーズン2点目おめでとう!一番応援してるぞ!あとはカットインからのシュートを決めてくれ!




少し私情を挟んだところで、昨今の高木監督の風当たりについて。観測範囲がツイッターのみのためなんとも言えないが、#高木解任なるハッシュタグも散見され、結果が出ない責任を取るべきとの論調があった。


しかし本来、高木琢也はこういう采配の妙で魅了する素晴らしい監督であることには疑いがない。


まあ確かに結果は出てなかったし、個人的には反対だが、解任となるのも仕方ないかもしれないと思い始めていた。


しかし信じていてよかった。やはりアジアの大砲は戦い方を知っている。勝てない試合が続き、前半で2失点、これまでの流れからするに大量失点での敗北もあると感じた。そうなれば、監督更迭となる可能性だって大いにあっただろう。


しかし勝った。高木琢也高木琢也たる所以を見せつけ、奇跡という名の必然を生み出した。


残るシーズン後半戦、高木監督には最後まで指揮を執っていただきたい。


正直なところ、残りの試合を全勝したとしても昇格圏内に入れるかは五分五分なところではある。高木琢也は、シーズンが終わった時、「昇格」という必然を生み出せるのか否か。


残りの全試合は欠かさず観ることを心に決めた、そんな今日の試合であった。