32インチのお気持ち表明!!!!!

言いたいことを言いたいだけ叫びまくる。

第二回ひとり関ジャムー神アルバム編ー

大学の課題図書が面白くなさすぎるせいで、放棄して関ジャムを観てしまいました。


今回はプロおすすめの名盤特集ということで、色んな名盤が登場しまして、それはそれはとても満足度の高い企画でした。ということで第二回ひとり関ジャムをやっていきたいと思います。




おすすめするのは、槇原敬之のCicada。


1999年にリリースされたこのアルバム。まずは1,2曲目が注目。


introduction for Cicadaと題された1曲目は、歌詞もなく、1分少々という短い曲。まさにイントロといった感じ。


静かなピアノから始まり、後になってシンセ(知識不足で確証がない)やSE、ドラムらが徐々に加わり、それとともに音量も上がっていく。


1曲目が終わる頃には、当初のピアノの静けさは忘れてしまい、ノリノリで身体を揺らしている自分に気付くだろう。


そして突然音が止まる、と同時に2曲目のpoolが始まる。


最初のスネアリムショットで1曲目の盛り上がりを一旦リセットさせて、もう一度同じメロディで曲が始まる。


この流れが完璧すぎる。Cicadaの魅力の8割はここに詰まっていると言ってもいいかもしれない。ほんとここだけでいいから一回聴いてみてほしい。


1曲目のイメージとしては、セミが飛び交うちょっと不快な夏ってイメージなんだけど、poolに入ってからは夏休みの縁側に置かれたスイカみたいな、ちょっと爽やかで懐かしいイメージ(当社比)。


同じメロディでも曲が変わればイメージが変わる、そんなアレンジャーとしての槇原敬之を見せつけられてもう堪らん。




そして3曲目、キラーチューンのhungry spiderである。


少し怪しげな曲調に対して、軽快なリズム隊。踊るような歌詞じゃないのに身体が動く。


poolはどちらかと言えば子供時代の淡い恋の記憶を辿る歌詞だけど、それとは相反してhungry spiderは、「腹を減らして」とか、「食べる」とか、ちょっとエロティックなオトナな歌詞。


槇原敬之性的嗜好を考えるとまた一つ面白さが増えてくる、そんな曲である。




そして、HAPPY DANCE。まったくハッピーではないこの曲は、"Do you wanna dance with the song?"(リスニング自信なし)と"Absolutely not."という掛け合いが続く。


結局、槇原敬之御用達の、これからに期待!みたいな歌詞になってるけど、曲調が『もう恋なんてしない』や『ズル休み』みたいな希望のあるメロディじゃないから違和感がすごい。




3連失恋曲ときて、ようやく失恋じゃない曲が5曲目のstar ferry。幻想的なメロディがとてもいいです。


失恋曲が続くからこその、「願わくば2人の想いがこの舟の航跡よりも長く続くことを」という詩が染み渡る。




6曲目の青春でさらに夏の印象を強く紐付けたところで、7曲目、STRIPE!が来る。


Cicadaはセミの意。アルバム名から想像できる通り、夏を意識した曲がほとんどの中で、STRIPE!は異質と言ってもいい冬曲である。


槇原敬之の冬曲といえば、冬がはじまるよや、北風等が知られているが、負けず劣らずの名曲がこのSTRIPE!である。


曲調はポップで、世間一般の「マッキーっぽい」に近いのかも。そんな曲が、夏の中にある冬、暗めの曲の多いアルバムでのポップスというかなり異質な扱いを受けていることで際立っている。




以降の曲は少し飛ばそう。かなりの長文だ。この後本読まないといけないのでね。




飛んだ後の曲は最後の曲、Cicada。アルバム表題曲である。


hungry spiderとCicadaは対になっている曲なんじゃないかと勝手に思っている。忘れないでと羽をこすりすぎると、煩いと思われ逃げられる。そんなメッセージが込められているような邪推をしてしまう。


そして以前関ジャムでも取り上げられていた最後の歌詞、「僕は歌う」もパワーワード


1999年の槇原敬之といえば、1回目の覚醒剤取締法違反で逮捕された年。おそらくは色んな辛いこともあったのだろう。


そんな薬物に頼るしかなかったくらい辛い時期に、「打ち付ける夕立」の後の「蝉たちのように」「僕は歌う」と歌っていることが、もうたまらんのです。


別に薬物使用を擁護するわけじゃないけど、色々あったんだろうなって思うし、そういう経験があったからこそこういう曲たちが生まれたのかなとも思う。




先日、2度目の逮捕があり、活動を休止している現在ではある。しかし、その才能は未だに衰えていない。現状での最新アルバム『Design & Reason』もとても素晴らしいアルバムだった。


しっかりと更生して、一刻も早い復帰を待つばかりである。




というわけでひとり関ジャムでした。またね。