32インチのお気持ち表明!!!!!

言いたいことを言いたいだけ叫びまくる。

トイ・ストーリーに想ふ。

トイ・ストーリーが好きだ。


映画を観ることは好きだけど映画館通いするほどではない。そんな映画エアプの自分だが、トイ・ストーリーに対する感情はそれなりのデカさがあるつもりだ。


4も映画館で観た。色々と評価が分かれてるらしいが、個人的には人生のベスト映画暫定トップだ。エンドロール中1人で号泣した思い出がある。


時間帯が時間帯だったので周りはチビッ子が多かった。お父さんお母さんの怪奇の視線が怖かった。見ちゃいけませんの人になってた気がする。それぐらい泣いた。






子供はすぐにおもちゃをなくすらしい。


俺は違った。マックのハッピーセットで集めたおもちゃや、いつどうやって手に入れたのか記憶にないほどのおもちゃも、ずっと引き出しに入っていたし、小4くらいになっても定期的に引っ張り出して遊んでいた。


その年齢となると、それなりに羞恥心が芽生える頃なので、親の留守を狙って引き出しをひっくり返しては自分だけの物語を紡いだものだった。


みんなが主人公だった。だから何一つとして失くしたくなかったし、遊んでる中でついた傷は設定に組み込まれたし、捨てることもなかった(存在を忘れて、おもちゃに逃げられてしまっただけかもしれないが)。


しかし、時は流れる。アンディと同じように。いつしか俺はニンテンドーDSで遊ぶようになり、サッカーをするようになり、本を読むようになった。


あの主人公だったみんなは、恐らく3のリトルグリーンメンがいなかった世界線に移行して、「お日様の光」をいっぱいに浴びてしまったに違いない。


でも全部ではない。断捨離をした当時の俺にも多少は思うところがあったのか、今でもいくつか残っているものがあって、自室の小さなハンモックに仲良く座っている。


誕生日にもらったデカいピカチュウのぬいぐるみ。押すとパフパフ音がするハイジのヨーゼフ。北海道に旅行に行った時お土産で買ったシロクマ。エトセトラエトセトラ。


そしてアンディにとってのウッディにあたる、少年アシベのゴマちゃんもいる。


彼(彼女?)は、1人で寝るのが怖かった俺のためにいつも枕元にいて、よく枕になってくれた。そのせいで背中がちょっと凹んでいる。


今日のように眠れないなとベッドの上で悶えていると、時たま彼らのハンモックが目に入る。みんな埃かぶってるけど、いい笑顔でやたら成長してしまった俺を見つめてくれている。


だから分かってしまう。3のラストで、ボニーにウッディを渡すのを一瞬躊躇うアンディの気持ちが。


自分の幼少期を彩った仲間が、いつの間にか数が減ってしまっていた中、残った精鋭の仲間が他人の手に渡るのは辛い。でも、埃かぶったまま自分だけのものにしているのは良くないと思い直す。


きっと、俺もあの状況になったら全く同じ反応をしてしまう気がする。




そして、4でウッディはボニーからも相手にされなくなってしまい、結果として無限の彼方に旅立つことになる。


4のレビューで、このラストに対して「アンディがかわいそう」というものがあって憤慨したものだ。


遊んで欲しいと譲ったのだから、遊んでもらえるところにいて欲しいというのがアンディの願いなのだ。


俺だったらピカチュウやヨーゼフやシロクマやゴマちゃんが押し入れで眠ってたら許せない。何なら取り返しに行ってやる。


ピカチュウは尻尾が切れてるし、ヨーゼフは黄ばんでるし、ゴマちゃんは凹んでるけど(シロクマは割と無事)、ボロボロの仲間をもっとボロボロになるまで使って欲しいと思うはずだ。


そしていつか壊れた時、その時に火葬してやるのが一番の供養でしょう。


いつまでも押し入れに生き埋めにするなんて惨たらしいことはしちゃいけないよ。




そんな、あり得たかもしれない俺の仲間の物語を提示してくれるトイ・ストーリーが大好きだ。


でも俺は意気地なしだから、仲間を手放せない。


だからこうやって、時にはノスタルジックな気分に浸って、お礼を言うことにしている。大掃除のたびに埃を叩いて綺麗にしてやる。


いつか俺に子供ができた時(しばらくそんな未来は来なさそうだけど)、しこたま遊んでくれたら嬉しいななんて思って、自己満足だって分かってるけど、それでも状態を保とうとしている。


遊んでやれなくてごめんね。あと10年くらい待ってね。10年経ってダメだったら俺も諦めて無限の彼方へ送り出すからさ。


そんなことをぼんやりと考えて今日の夜長を過ごしていたらこんな時間になってしまった。


明日はトイ・ストーリーを観よう。確かいつかの金曜ロードショーで録画したのが残ってたはず。そんなふうに思った2020年9月11日午前5時10分。


まだ生きたかっただろうに火炙りにしてしまったたくさんの仲間へ。本当は遊んで欲しいはずなのにハンモックの上で我慢してくれている大切な大切な仲間へ。


なんて、ちょっとクサすぎるかな。